ある島の現実その後②
前回の①を公開してから9ヵ月が経過しました。続編がやっと出来ました。
瀬戸内海、ある島の現実その後②です。
3月以来の投稿となりました。
その間、一旦は終息方向と思われたコロナ禍の第三波が12月に入って猛威を振るい、この広島県も例外では無くなってきました。
2019年9月で、母屋を残して、全ての建屋、樹木が撤去されたのは、前回までのブログの通りです。
その後の作業はスローペースで進んでいます。
1、母屋丈を残し、作業の後が生々しく残る敷地でしたが、其処に門扉が完成しました。
門扉そのものは新たに買ったものではなく、我が友人があちこちから不用となった部材を集めて調達したそうです。
敷地内部からの、最新の画像です。セメントを流し込んだ後になります。
セメントを流し込む前です。
2.この3月には、母屋の下屋根、軒先の補強を行ったところまで記述しました。立て付けが悪くなっているところです。
修理前、軒先が大きく垂れて、瓦が破損しています。
9月には軒先修理作業の為、作業用足場を組み立てました。予想外の難工事でした。この鉄骨は、ご近所の業者の方よりお借りたものです。とにかく重くて、又古い物なので組み立てるのに随分苦労しました。平地ではないので足場の土台が悪かったのも苦労した原因です。ずぶの素人が初めて組上げる訳ですから段取りは悪く試行錯誤を繰り返し乍らやっと組みあがったわけです。出来上がった時は本当にほっとしたものです。
今回は、門扉設置作業の前にその復旧作業が行われました。軒先が垂れ下がって、即ち軒を支える垂木が朽ち果てているところの部材の交換、及びずれて破損している瓦の葺き替え、及び接着作業です。
垂木は新しいものに入れ替え、板を取り換え、瓦を葺き替え、それをセメントで接着をします。ここでの僕の仕事は、下でセメントを練ってバケツに入れて上に届ける事でした。
完成です。
3.今までの経緯を簡単におさらいしておきましょう。
この築90年以上になる邸宅は、友人の今は亡き奥さんの実家で、長い間空き家になっていました。
2018年、行政から路地に張り出した納屋の軒瓦が落下する危険性を指摘され、我が友人は対応に乗り出しました。確かに老朽化で垂木は腐敗し瓦がずり落ちる寸前になっています。
1)2018年9月解体作業前
敷地の殆どが樹木で覆われていました。
鳥瞰図右側、切妻の建物が問題の納屋です。
敷地内から見た画像です。土塀と、庭を覆いつくす樹木です。
2)2018年11月~2019年7月にかけて
納屋を除く土塀、門、風呂場、そして炊事棟などが解体されました。
3)2019年8月~9月
最終的な納屋の解体です。
巨大な足場は流石に素人の老人パワーでは無理で業者さんで組んでもらいました。又屋根に上る作業は、建築のプロである友人にお願いしました。
途中、8月半ばの台風で、一本丈残した貝塚の巨木が隣地に倒れこむ、と言う災禍にも見舞われました。
2019年9月6日までに、母屋を残して、全ての建屋、樹木が撤去されました。
巨木倒壊後の鳥瞰図です。
納屋解体後、母屋丈になった画像です。この正面に今回、門扉が出来た訳です。
4.後書き
今年は、2020年春に始まったコロナ禍で、未だ終息を見極めることが出来ない状況の中で暮れようとしています。
そんな中ですが、この島での小さな、でも未来への前向きな歩みは、僕にとっても非常に力強い啓発を受けたような気がします。
島のご近所でも結構注目の的になっているとの事です。
今後、この2年以上に及ぶ努力の結果がどのように実を結ぶのか、楽しみにしたいと思っています。少しでも、島の将来に一石を投じることになれば良いと願っています。
老人パワーも捨てたものではないですね。